人気ブログランキング | 話題のタグを見る

広域芸術祭で改めて考えたこと

ディズニーランド、大好き。戦隊ヒーロー、大好き。わかりやすくて、楽しいものが、皆、大好き。現実世界は、ややこしくて、大変だから、せめて、テレビやイベントは、楽しくて、すかっとするものがいい。そんな世間のし好に比べると、私達夫婦の「おおすみ夏の芸術祭」は、わかりずらいです。

すかっとさわやか、楽しいのはとっても大事だけど、「なんじゃこりゃ?」「これって、どういうことなんだろう?」考えてもわからないようなこと、わかるのが数年後だったりするようなこと、に触れて、自分なりに感じたり考える機会って、とても大事だと思うんです。

「何?これ??」わからないなりに、何かを感じたら、それがどういうことなのか、考え続けると、いつか、「ああ」と合点が行く日が来ます。そういう試行錯誤能力が、これからの未来を作るんだと。答えは1つではない。それが、現実社会だから。

「なんとなく感覚ではわかるけど、言葉にはできない」そんなもやっと感もまた、時には必要。感覚を言葉にする訓練。日本人は、本来、感覚の鋭い民族です。それが当たり前過ぎて、言葉にする訓練はしていない。皆が鋭いから、言葉にできなくても、共有できちゃうんです。

だけど、国際社会では、そうもいかない。だから英語圏の人達は、逐一、上手に言葉にする訓練をしているんだと思います。わからないから、説明する。日本人は、感覚的に優秀なので、わかっちゃうけど、わかるのが当たり前と思って、自分の感覚を言葉で説明する文化がない。

言葉で簡単に説明できるものって、よくよく見ると、アメリカの輸入文化であることが多いのかもしれない。日本古来の文化や芸術には、言葉で簡単に説明し難い奥の深さがある。

農作業だって、感覚や直感である部分は多いんじゃないかと思います。言葉や数字だけで世界をみている机上の研究者にはわからない「現場の感覚的な何か」が、農業に限らず、これからの未来を開く重要なキーポイントなんじゃないかと思っています。

農業や自然の中の田舎の実生活で体感的にわかっているが言葉にできないことや、「え?何これ??」とよくわからない芸術的な試み、どちらも、これからの未来にとって、重要な要素であり、資源であるのだと思います。

「答えはひとつではない」ということが、現実そのものだから、沢山の現実世界のヒダヒダの中で、どこに向かって前進し続けるか? それを考える訓練の時間なのかもしれません。答えは全ていつも、自分の身体の宇宙の中にあります。

そんな気づきも伴いつつ、政治でも宗教でも商売でもない創造的な部分で、つながっていきましょう。
そのつながりと創造力とが、地域の活性化につながるように。
見えない財産を未来の子ども達に残す為にも。
どうぞ宜しくお願い致します。


by osumiart | 2012-11-27 08:56 | 芸術祭
<< 新聞掲載一覧 news paper 内之浦特産野菜使用「キャンピー... >>